クールなご主人様は溺愛中
えっ、冬夜くんと......?


「行って、貰えますかね」


「もちろんよ。だって、冬夜くん、里奈ちゃんが大事でしょうがないって感じじゃない」


「ええっ?」


おばあさんの表情は、とても冗談を言ってるようには見えない。


「何度か会ってるじゃない?その時の冬夜くん、見たことないくらい優しい顔してるもの」


冬夜くんが......?


「ずっと、周りを見すぎて気を張っているような子だったけど、ちゃんと見つけられたのね。気を許せる子」


嬉しさと恥ずかしさが混じって、目を伏せる。


「ふふっ。初々しいわね。じゃあ、またね。里奈ちゃん」


バチッとウインクを決めたおばあさんは、なんていうか、若々しく見えた。


冬夜くんと夏祭りか......。


行けたら楽しいだろうなって考えながら、今日のご飯の材料を買う。
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