クールなご主人様は溺愛中
「起きて、ください?」


もう一度声をかけるとうすく開いた目が合った。


「......朝、ですよ」


「......お前」


目をしっかり開けて、私の方を見る。


「あ、あの......」


まるで時間が止まったみたいだった。


「......っ。出てけ」


目を逸らしたかと思うと、すぐに冷たい言葉を投げつけられた。


「え......」


「お前もどーせ、今までの世話係と一緒なんだろ」


今までの、世話係?


「......」


「お前も、どうせすぐにやめてくよ」


そう言い放った瞳は、どこか苦しそうにも見えた。


「......私は、やめない」


というより、やめれないし......。


「っ!」


驚いたように、彼は目を見開いた。


「......そうか」
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