クールなご主人様は溺愛中
今にも雷が鳴り出しそうなほど。


「よし、行こう」


部屋着から半袖パーカーとショートパンツに着替える。


ピンクの傘をさして、黒い傘を片手に家から出た。


靴が濡れたし、脚に水がかかるけど、そんなの気にしなかった。


駅に着くと、冬夜くんが両手に紙袋を抱えているのが見えた。


「冬夜くん!」


「里奈?」


驚いたようにこちらを向いた冬夜くんに胸が高鳴る。


「どうした?なんかあったか?」


本気で心配そうな彼に笑ってみせる。


「冬夜くん、傘もってってなかったから......」


「そんだけで?俺、傘買ってたかもしれないのに?」


あ、それは考えてなかった。


「傘買うのは考えてなかったけど、冬夜くんが風邪ひいたら、やだし......」


「......っ。ありがとう」
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