クールなご主人様は溺愛中
「里奈、あいつ誰」


イライラしたような声に縮こまる。


「友達だよ。転校した初日に話しかけてくれたの」


「ほんとに?」


え、なんで疑われてるの......。


「ほんとに、友達ってだけ?」


「うん。そうだよ?」


どうして、そんなに不安そうな顔なの?


ちょっと、怒ってるようにも見える。


「そうか」


なんか、引っかかるなぁ。


原因は間違いなく私だから、結構落ち込む。


不安を抱えながらも冬夜くんの隣を歩いた。


こんな空気なの最初以来で、涙が滲んでくる。


「里奈......?」


何を言おうとしたのか冬夜くんに呼ばれて、涙がいっぱいに溜まった目をそのままに彼を見る。


「っ、里奈、どうしたの」


真っ暗で表情が分かりずらいのに、冬夜くんは気づく。
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