クールなご主人様は溺愛中
そして文化祭も残すこと1時間。


最後の花火があとで10分で上がる。


「里奈ちゃん、よかったの?」


今私は悠くんと本部にいる。


残りの先輩たちは、みんな花火の手伝いへ行ってしまった。


「え?なんで?」


「見たいやつ、いたんでしょ」


あーあ、見破られてる。


「うん、でも、頼まれたら断れないよ」


「そっか。俺は、よかったよ。里奈ちゃんと一緒に花火、見れるから」


「えっ?」


悠くんは、確かあの言い伝えを知ってるはず......。


なのに、どうして。


その時、声が聞こえた。


「里奈」


見れば、私の前に冬夜くんがいる。


「冬夜、くん?」


「なあ、ここで一緒に見るならいいよな」


「なにを?」


突然の事で、まともな返事ができない。


「花火、ここでなら一緒に見れる」


確かにここでなら花火が見えるし、冬夜くんも一緒。


「うん。見る」
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