クールなご主人様は溺愛中
「里奈ちゃん、行っておいでよ」


「え?」


「ぶっちゃけここに2人もいらないでしょ。2人きりで見ておいで」


いいのかな。


ここに、悠くんを置いていって。


「里奈、行こう」


「えっ」


ぐいっと、手を引かれて私も歩き出す。


「悠くん、今度お礼するから!」


「うん、楽しんでおいで」


悠くんは、私が見えなくなるまで笑顔でいてくれた。


「里奈、大丈夫か?」


人の波に埋もれている私に冬夜くんが声をかける。


「うん。だいじょーぶ」


そう言いながら、ぎゅうっと冬夜くんの手を握った。


それと同時に大きな音が鳴り響く。


「わあ!」


大輪の花火が打ち上げられていた。


「里奈」


しばらく見惚れていると、冬夜くんに呼ばれて耳を寄せる。
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