クールなご主人様は溺愛中
私みたいに、雇われたメイドとは違う。


「頑張って、みようかな」


「うん、応援してる」


「里奈ちゃんは?」


「私は、いいの。それに、自分からなんて言えないよ」


「そっか」


私のこの恋は、叶わない。


一緒に花火を見たって、毎日眠くなるまでおしゃべりしたって、この恋が叶うことは無い。


冬夜くんは御曹司で私はメイド。


最近の忙しそうな冬夜くんを見てると、いっそう思う。


でも、いつか私がメイドじゃなくなって、同じ立場で出会えたら、今度は伝えたいって思う。


その時、冬夜くんには別の人がいるかもしれないけど。


今をがんばる。


時間になって、れんげちゃんと校門を出る。


すると、周りのお嬢様たちからのひそひそ声が聞こえてくる。


「メイドのくせに」
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