クールなご主人様は溺愛中
「身分違いもいいとこよね」


そう、最近こんなにネガティブなのはこれのせい。


しょっちゅう聞こえてくるこんな嫌味。


どれだけ冬夜くんに励まされても、事実を言われてるのだから落ち込む。


俯いて歩いていると、いつものように車が止まってる。


「里奈?」


先に冬夜くんが乗っていて、暗い表情の私を心配するように覗き込んでくる。


「大丈夫か?」


知ってるのかな、私がどんな風に言われてるのか。


「だいじょーぶ」


全然大丈夫じゃない。


「そろそろ、何とかしねーとな」


そんな声が聞こえてきた気がしたけど、泣かないように必死で通り過ぎて行った。
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