クールなご主人様は溺愛中
名前を教えて
20分ほど乗っていたかな。
着いた学校は大きかった。
ほんと、どこのお城かと思うくらいには。
「里奈さんは、こっちの校門ですね」
送迎ばかりだからなのか、駐車場が広い。
そこには2つの門があり、メイド・執事科と普通科に別れているらしい。
普通科はいわゆる、お金持ちの子供が通う科。
メイド・執事科は、その人たちのメイドさんや執事さん、そういう仕事を目指している人が通っている。
「では、授業が終わり次第こちらへ来てください」
「はい!」
返事をすると、彼が私を待っている。
「行くぞ」
「えっ?」
科、違うんじゃないの?
「職員室まで、案内してやる」
「え......」
「嫌なのかよ」
「ううん。お願いします」
彼の1歩後ろを歩く。