クールなご主人様は溺愛中
「......っ」


恥ずかしくなって、顔を隠す。


「ははっ。ん」


手を差し出されて迷いなく手を繋ぐ。


隣に並んで歩くと、周りの視線を集める。


ちょっと、居心地が悪いけど文化祭の時に言ってくれた冬夜くんの言葉を思い出せば、全然怖くなかった。


電車に乗って2人で遊園地に向かう。


時間もあまり早くなかったから、電車もそんなに混んではいなかった。


「来たね」


「来たな」


遊園地の門を2人で見上げる。


きっと久しぶりなんだろう。


冬夜くんの表情はキラキラと輝いていた。


「行こ!」


私がグッと手を引いて門をくぐる。


チケットは、当たり前のように冬夜くんが買ってくれた。


お金あるって言ったのに、普段働いてる分のご褒美だなんて言われたら断れなかった。
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