クールなご主人様は溺愛中
「冬夜くん、あれ乗ろ!」


私が指さしたのはジェットコースター。


「ん、いいよ」


列に並ぶと、前はカップルだった。


「冬夜くんって遊園地、最後に行ったのいつ?」


「あー、小学校の頃だったかな。あの頃は、自分の家庭は普通だと思ってて、誰もがこんな暮らしなんだと思ってた」


「そっか。私も、小学校の頃だったよ」


「やっぱり、それくらいだよなぁ」


そんな会話をしていると、前のカップルがキスをした。


「......」


「......」


タイミング悪く、2人して固まってしまう。


き、きまずい......。


話せなくなってしまい、無言のままジェットコースターに乗り込んでしまった。


前に並んでいたカップルは当たり前のように前に座ってるから、さっきよりヒートアップしたのがよくわかる。
< 176 / 268 >

この作品をシェア

pagetop