クールなご主人様は溺愛中
「ほんと?」


「うん。絶対」


そう言うと、冬夜くんは私から離れた。


どこか名残惜しさも感じながら、安心しきったような彼の顔にそんなのどうでも良くなった。


「よかった。俺も、ずっと一緒にいるから......」


抱きしめられて、ドキドキと心臓が鼓動する。


「うん。約束」


そう言った時、ふっとお雑煮を作っている鍋が目に入った。


「ああー!」


今にも吹きこぼれそうなのが目に入って、慌てて火を切った。


危なかった......。


「それ、雑煮?」


「うん、そうだけど......」


「俺、初めて雑煮食べる」


えっ......。


「父さんも母さんもこのとおり正月ですら帰ってこねーし、さすがにこんな日に残ってる人もいねーからさ」


そう言った冬夜くんの瞳は、どことなく寂しそうだった。
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