クールなご主人様は溺愛中
少し仕事をして、自分の部屋に戻った。


「もう、夜食も作らない方がいいよね」


いつもと同じ時間に夜ご飯を1人で食べて、寝ようとした。


でも、できなかった。


いつもより美味しくないご飯といつもより早い寝る時間。


眠れなくて、勉強を始めると誰かがドアをノックした。


「里奈?俺だけど」


冬夜くんの声。


今日は、聞きたくなかったな。


ドアを開けられなかった。


「里奈、お願い開けて」


それなのに、切なそうな声に開けてしまう。


私も、ダメだなぁ。


「......」


声を出したら、泣いちゃう。


「里奈、話、聞いてくれる?」


こくんと頷いた。


「俺、政略結婚しない」


その言葉に少しだけ安心する。


結婚するから別れてなんて言われたら、もう立ち直れないよ。
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