クールなご主人様は溺愛中
「父さん、母さん、今いい?」
冬夜くんがドアをノックして、言う。
今から、冬夜くんのご両親に挨拶をする。
どうなるか分からないけど、今一番いいのはそれだと思うから。
「ああ。入れ」
ドアを開けた冬夜くんの後ろをついていく。
奥に、優しそうな表情をした男の人と昨日の冬夜くんのお母さん。
「......どうした、冬夜。めずらしい」
「話がある」
冬夜くんがそう言うと、お父さんも真剣な表情に変わった。
「俺には、大事な人がいる。だから、結婚はしない」
「......」
「......」
冬夜くんのご両親は、黙ってしまった。
「......そうか。君、澄野里奈さんだよね?」
「はい。打ち明けるのが遅くなって申し訳ありません。
......冬夜くんとお付き合いさせていただいてます」