クールなご主人様は溺愛中

そんな日々の中、5月の半ば頃だった。


母が、私に仕事を持ってきたのは。


「里奈、メイドしなさい」


「え、どうして......」


そう言うと、すぐに母の視線が鋭くなった。


妹も近くで見ているが、もちろん母側。


「今の私たちの暮らしが危ういからよ。いい？
住み込みよ。お給料は毎月私たちに入ってくるようにするから。」


この生活から逃れられるなら、それでもいいと思ってしまった。


「わかった」


「じゃあ、決まりね！土曜日に行かせるって連絡しておくわね」


この選択が、私の人生を大きく変えるなんて、想像もしてなかった。