クールなご主人様は溺愛中
返事をして、屋上を出ると里奈の元へ急ぐ。


里奈の教室に着けば、いつか見たあの男と一緒にいるのが見えた。


「......っ、里奈」


久しぶりに見る気がする里奈に安心感を覚える。


「と、うや、くん?」


驚いた顔が可愛い。


「里奈、ちょっといいか?」


こくんと頷いたのを確認して、里奈の手をとった。


離さないし、逃がさない。


そんな気持ちを込めて。


2人で屋上に上がれば、翔たちはいなかった。


「......ねえ、冬夜くん」


ここまで一言も話さなかった里奈がようやく言葉を発してくれる。


「ごめんね、私のせいでいっぱい、迷惑かけて......」


久しぶりに話した言葉が謝罪だなんて。


「里奈、謝るな」


里奈には、笑ってて欲しい。


俺が、ずっと思ってること。
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