クールなご主人様は溺愛中
学校からの帰り道、私たちは一緒の車に乗って帰った。


運転手さんの嬉しそうな表情と、握られて離されない手がこの上なく嬉しかった。


「里奈、準備はいいか?」


冬夜くんの言葉に頷く。


今から冬夜くんのお母さんの前に出る。


最初、冬夜くんが一人で説得するって言ってくれたんだけど、私も同席することを決めた。


「母さん、今、いい?」


ドアの前に立って、呼びかける。


「ええ」


中に入ると、お母さんの目の色が変わる。


「あなた達、まだ別れてなかったの?」


「母さん、話がある」


真剣な瞳で言った冬夜くんが私の手をギュッと握ってくれる。


「俺たちを、認めてください」


「ダメよ」


あっけなく否定されてしまい、心が折れそうになる。


「どうして」


「ダメよ、彼女はメイド」
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