クールなご主人様は溺愛中
「柴崎さん、今、お話いいですか?」


優雅にコーヒーを飲んでいたけど、一応許可をとる。


「はい。なにか飲みますか?」


「いえ、大丈夫です」


裁縫の練習もしたいしね。


「では、お菓子だけでもどうぞ。どうかなさいました?」


クッキーを差し出されて、それだけ1つ口に入れる。


甘くて、美味しかった。


「あの子......。あの、私が仕えている男の子の事なんですけど......」


「名前は、聞けましたか?」


「いえ、教えて貰えませんでした」


「ほう......。坊ちゃんは、メイドにトラウマを抱えてらっしゃいますからねぇ」


やっぱり、そうなんだ。


「執事をつけたこともあるのですが、ケンカになり、しばらくは世話係がいない状況だったのです」
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