クールなご主人様は溺愛中
「ああ。その時によく遊んでた子がいて、その子、俺の名前を綺麗だって言ってくれたんだよ。

それまでは、冬の夜なんて冷たい名前、大嫌いだった」


冬夜くん、気づいてたんだ。


「驚いたよ。全く同じこと言うやつが目の前に現れるんだから」


それから、優しげに目を細めて私を見る。


「里奈だよな、その時の女の子」


「うん。ここに来る途中で、思い出したんだ」


「ありがとう、思い出してくれて」


「こっちこそ、覚えててくれてありがとう」


そう言うと、2人の唇が重なる。


人に愛されることが、こんなにも幸せだなんて、知らなかった。


全部、全部、冬夜くんが教えてくれたんだよ?


end
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