クールなご主人様は溺愛中
「お前、倒れたんだぞ」


「......そんなの関係ない」


どうして、そんなに作らせたくないんだろう。


「私のご飯、美味しくない?」


レパートリーも少ないし、簡単なものしか作れないから......?


「違う」


「じゃあ、どうして......」


「焦ったんだ」


静かに冬夜くんが言った。


「お前が、里奈が倒れて......。本気で、怖かった。消えちまうんじゃねーかって。いなくなるんじゃねーかって......」


最後の方の声は、震えていた。


きっと、今まで甘えてこれなかったからだろうな......。


周りを、すべて敵に見て、周りの重圧に耐えて。


「冬夜くんは、どうして欲しいの?」


「......」


「聞かせて。私がご飯を作るの、どうだった?」
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