クールなご主人様は溺愛中
「もうちょっと、優しくしたら?」


「別に、優しくする義理ねーし」


改めて、自分がどうしてこんなにもこの人の近くにいられているのか不思議に感じる。


「お次のお客様、どうぞー」


「冬夜くん、次、私たちだよ!」


後ろの人に迷惑がかからないように、ちょっと急ぎ気味で決める。


「いちごガトーショコラクレープください」


「かしこまりました」


そう言って、冬夜くんの方を見る。


「冬夜くん、何にする?」


「あー、アイスコーヒーで」


......え!


クレープ食べたくて並んだんじゃないの?


でも、そういうお客さんも珍しくないみたいで、慣れたように注文したものを作ってくれる。


「どうぞ」


「ありがとうございます」


お金は、当たり前のように冬夜くんが払ってくれた。
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