クールなご主人様は溺愛中
「ううー」


苦しんでいると、上からクスッと笑い声が聞こえる。


ひどい!


むくれていると、ニヤニヤとした笑みをやめて私を見る。


「それ、ちょーだい」


「ん?クレープ?」


「ああ」


「はい!」


腕を思いっきりあげて、冬夜くんの口元に差し出す。


すると、彼は固まってしまった。


あれ、これって、あーんってやつじゃない?


わ、どうしよう。


そんなつもりは......。


ちゃんと渡そうと、手を引っ込めようとした。


「え」


その手を彼がぎゅっと掴んで、自分の口にクレープを持って行った。


私の手を包んでいる大きな手は、男の子って気がする。


「ん、あま」


私は、もう、放心状態。


「あれ、どうした?」


まだ、驚きすぎて動けない私。
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