クールなご主人様は溺愛中
じわっと頬が熱くなる。


「ないですよぉ」


「ふふっ、わかんないじゃない?」


「もぉ......」


余裕の笑みを浮かべる里咲さんは、やっぱり大人だ。


「でね、里奈ちゃんにこれ、あげようと思って」


見たのは、私が今日買ったお店の下着屋さんの袋。


「......え」


「実は、いたのよ?私。デート、楽しそうだったわね」


「からかわないでください......」


デート、その言葉に恥ずかしくなる。


「だから、サイズはあってるはずだから夏休み、付けてみてね」


「ありがとうございます」


「ふふっ、里奈ちゃん、いっつも頑張り屋さんだからついつい甘やかしたくなっちゃうのよね」


なんて、優しい言葉も貰って、それも袋ごと里咲さんに預けた。


今日は荷造りのために冬夜くんの夕食の準備は他の人がやってくれる。
< 74 / 268 >

この作品をシェア

pagetop