クールなご主人様は溺愛中
レシピ本を見ながら丁寧に作っていく。


難しいなと思いつつも、冬夜くんがそれを食べて笑ってくれると思うと楽しかった。


時計が6時半くらいを指した頃、ハンバーグを焼き始めた。


「お、いい匂い」


部屋から出てきたと思ったら、どこか表情が緩んでる。


「俺も作る」


そう言われて、驚いたけどすぐに作り方を教えた。


「適当にとったら空気を抜いて......」


「どうやって抜くんだ?」


そんな質問を、私もさっき入れた知識で返す。


「そーそ。で、ここ置いてくぼませて......」


こんなの、絶対いつもの家にいたらできなかった。


そう思うと、この時間がとても大切なものに思えてなんだか嬉しかった。


「よし、できた!」


「お、美味そ」


嬉しそうに冬夜くんがお皿を持ってきてくれる。
< 92 / 268 >

この作品をシェア

pagetop