お姫様は自由に恋がしたい。
ドキドキするのは男性慣れしていないから。
そう自分を言い聞かせていたけど
彼は言葉の通り私を守ってくれた。
15歳の頃は少しずつ姫としての役目も増えてきて、民衆の前に立つことがあった。
その時期から、少しずつこの国の王を狙う人たちからも声をかけられるように。
その時は結婚なんてまだ先のことと考えていたし
私は自分はそんなに弱くないと
思っていたけれど
“王になりたい”
そう目に書いてある人たちと関わるのはやはりなんだ気分が悪い。
命を狙う人だって少なからずいた、
少しずつ怯えることも増えていたと思う。
そんな私の横に立つ彼は凛々しくて、
同じ歳とは思えなくて。
私に対してあまり意見を言わない彼だったけれど
一度だけ。
「姫様。嫌な時は嫌だと言わなければ。
そこに漬け込む奴らは大勢いますからね。」
そう瞳を見てはっきり言われた。
その時、胸がズキっと痛んだのがわかった。
「でも、相応しい相手がいらっしゃるのならこの国を守るためにも我慢することも必要でしょう?」
私は思っていたことを返す。
「姫様の周りの方は多分、姫様の望まない結婚なんてしてほしいなんて思わないですよ。」