生きる理由をキミに沈めて、笑顔で私を忘れてください
さっと純喜の部屋を開けると、
彼はもう布団を引いて眠っていた。
ベットが空いている様子からして、
きっと私のために開けておいてくれたのだろう。
ゆっくりとベットに体を滑らして、
私は窓から月を見る。
…もしあの時、純喜が来てくれなかったら
私は2度と太陽の下を歩くこともなかったし
この月を見上げることもなかった。
…余命半年から1年と言われて、
戸惑っていた私なのに。
死から逃げようと死に逃げていたことに。
その命を簡単にも捨てようとしたのだと、
情けなく思えた。
人はいつ死んでもおかしくないし、
簡単に終わらせることができるのだと、
震えが止まらなかった。
ゆっくり隣を見ると、純喜の寝顔があった。
寂しい…とにかく寂しい私は、
いつの間にか純喜の布団に体を沈めていた…。