生きる理由をキミに沈めて、笑顔で私を忘れてください
…やっと楽になれる。
そう思って目を閉じた時、
何かに手を掴まれた気がした。
気づいた時にはもう意識はなくて、
私は幻覚でも見ていたんだと思う。
…ゆっくりと目を開けると、そこは砂浜だった。
色々なものが散乱している、よく知った砂浜だ。
…死ねた、
私の人生、終わったんだ。
そう思って月を見上げた時、
1人の後ろ姿が目に入った。
…泣いている。
ゆっくりとその人物はこちらを向いて、
私を見た瞬間に、悲しそうな目をした。
…知ってる。この人を。
ゆっくりと手を伸ばそうとして、
…いや、違う。
思っていた人物とは違って、
私はその人物に呼びかけた。
この後ろ姿はよく見ている。
…がっしりとしていて、サッカー部で鍛え上げた…
「…純喜?」
そういうと、
ゆっくりと彼は振り向いた。