氷菓と煙草
「ふーん、俺の煙草みたいなもんかね」
持っている煙草を指差す。
「なんだよ?おっさんも別に煙草すごい好きってわけじゃねぇのか」
「うーん。好きではあるけどもう半分習慣みたいなものだし」
「旨いのか?」
「なに、お嬢ちゃんも吸ってみる?」
煙草の吸うほうをおっさんが私に向けてくる。
「誰が吸うか。こちとら未成年だぞ」
それを一蹴してすぐに私は大分溶けてきたアイスにかぶりついた。
「うん、うん、いい子いい子。良かった。未成年の犯罪に手を貸すことにならないで」
心底安心したようにそう言うおっさんを私は一瞥する。