息絶えたカナリアの涙声
同じ場所に同じ時間帯にくることに意図を感じるも、カナリアは数分すれば去っていく。
「俺に会いに来ているわけじゃねーんだよな」
男は悲しんだ声を部屋に残して、テーブルと向き合っていた。
次の朝、テレビをつけてみれば天気予報の最中だった。
テレビの気象予報士が今日の天気について語る。
《今日はお昼頃から雨に覆われるでしょう。傘を持ってお出かけ下さい。また______......》
「雨か......」
外へと顔を向けてポツリと呟く。
灰色の雲で覆い尽くされている空を見て、男は眉を顰めた。
今日はバイトがあるので外へ出ないといけないから、雨を鬱陶しく思うのだろう。
雨なんか降るんじゃねーよと悪態をつきながらも、バイトへ向かう準備を進めていた。