天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜

なんだろう、自分でも我慢していたのかな。


自分じゃ涙の勢いを止められない。


たまに階段を下りてくるお客さんに変な目で見られていたと思う。


でもそんなの気にならなかった。


天馬くんが私の事を隠してくれていたから。


少し気持ちが落ち着いたけど、恥ずかしくて見上げることができない。


「ごめん……暑いよね……」


ただでさえ暑いのに抱きしめてくれていたから汗がびっしょりで。


天馬くんのTシャツは私の涙で塗れてしまった。


「スッキリした?」


「おかげさまで……Tシャツも汚しちゃって本当ごめん……」


「それは別にいいけど、おまえの顔の方がやべーよ?」


「え!?」

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