天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
運命のイタズラ
この家に帰るのは未だに慣れない。
家に入るときはいつも深呼吸してから玄関のドアを開けている。
でもこの日リビングにいたのは咲だけだったからほっとした。
「あ!お姉ちゃん!昨日大丈夫だった!?ブレスレット……」
「ごめんね、知らない間にバッグに入ってて……でも絶対盗んだわけじゃないからそれだけは信じてほしい」
咲にブレスレットを渡すとニコリと笑ってくれた。
「わかってるよ!逆にそんなこと言わせちゃってごめん……今度ちょっと大きな仕事が入っててさ、それで最近お父さんもピリピリしちゃってるんだと思う……」
そのせいだけじゃない。
今に始まった事じゃないんだけどね。
咲にはあまり心配させたくないから黙っておこう。
「私は咲がわかってくれればいいから」