天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜


個室に案内されるまでの間、天馬くんのご両親と仲良くなれたらいいなぁなんて考えていた。


たった数年間の結婚なんだろうけど……。


好きな人の親には気に入られたい。


〝好きな人〟と結婚できるってすごい嬉しいはずなのに、ちょっと寂しい気持ちになる。


両想いじゃないからかな……。


「失礼いたします。神城さま、倉木さまが御着きになられました」


障子戸の前で女将さんが声をかける。


緊張MAXだ……。


「え、神城?」


横で咲がつぶやく。


障子戸が開かれると天馬くんとその隣にご両親が並んで座っていた。


すごく優しそうな笑顔で私のことを見ている。


この人がポニーの代表……。


そして天馬くんはというと、グレーのスーツを着ていて制服とはまた違った雰囲気を醸し出している。


わぁ、かっこよすぎでしょ……。


高校生には見えない堂々とした佇まい。



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