天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
振り返ると咲の顔が真っ青で手が震えている。
「咲、どうしたの!?具合悪いの!?」
義父とお母さんの方を見ても驚いた様子もなく気まづそうにしている。
え……なに!?
「私……あのっ、帰りますっすみません!」
咲は頭を下げて慌てて個室を出て行った。
「咲っ」と、義父が声をかけたが振り返らない。
女将さんは驚いていたけど、この場にいるみんなはわかっているような顔をしていて。
天馬くんなんて、違う方をみている。
どうして……!?
「申し訳ない、うちの娘が……」
義父が頭を下げると天馬くんのお父さんはため息をついた。
「話をしていなかったのか?」
「どうしても伝えられなかったんだ……」
「だからこういうことになるんだ」