天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
何を言ってるのこの人たちは。
咲の表情は明らかにおかしかった。
「すみません!私も失礼します!」
頭を下げると「おい!何を言ってるんだ!?」と義父が困惑した表情で私の肩を掴んだ。
「咲が具合悪そうなので私が付き添います!」
天馬くんたちにも一礼し、義父の手を振り解いた。
申し訳ないけど咲のことを放っておけない。
義父はあんなに咲のことを大事にしている風だったのに、咲よりも自分の友達を優先するんだ……信じられない。
私は走って咲の後を追いかけた。
料亭を出たところで咲がその場にうずくまっていた。
真っ青な顔で地面を見つめている。
「咲っ」
私の声に大きく体をビクつかせていた。
「お……お姉ちゃん」