天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
今にも泣きだしそうなか弱い声だ。
こんな咲は初めて見る。
「どうしたの!?具合悪いの!?」
「ごめ……ごめん……」
「そんなのいいから!救急車呼ぶ!?」
「違うのっそういうんじゃないからっ」
「え!?じゃあ……」
Trrrr……
バッグに入っていたスマホが震えた。
画面を覗くと天馬くんからだった。
でも今は電話どころじゃない。
「電話でしょ……いいの?」
「うん、それより咲の方が心配だから」
私は咲を抱えて料亭から少し離れた場所にあるベンチに座った。
歩くのもやっとでフラフラしている。
救急車呼ばなくて本当に大丈夫かな……。
ベンチに座っても咲は下を向いてなかなか話をしてくれない。
「ごめん、無理に話さなくてもいいんだけど……」
「天馬……だったんだね」
「え?」