天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
悲しい嘘
あれから天馬くんは何度も電話を掛けてきてくれた。
でもそれに出ることはできなくて。
声を聞いたら決心が鈍りそうだったから。
義父とお母さんからは無事に帰ったかと連絡が入っただけで、あの日のことについて叱られることはなかった。
やっぱり二人は知っていたんだ。
翌日、お母さんを私の部屋に呼んだ。
「婚約を白紙にしたい?」
「うん……」
お母さんは驚いていない様子。
「そう言うだろうなとは思ってた……昨日咲ちゃんに聞いたんでしょ?前に天馬くんと付き合ってたこと」
「うん……お母さんも知ってたのに、なんで教えてくれなかったの!?」
「ごめんなさい、内緒にするつもりはなかったのよ、でも私もお父さんも2人を傷つけたくなくて……」
「結果傷ついてるじゃん!咲なんて今日も部屋から出てこないんでしょ!?」