天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
始業式、クラスのみんなは久しぶりに友達に会えたからなのか、テンションが高く教室は笑い声で溢れかえっていた。
「ちひろおはよ!」
「あ、おはよー瑠実」
「ん?なんか元気なくない?」
瑠実は自分の席に鞄を放り投げ、すぐに私のもとへと来てくれた。
さすが親友。すぐ気付いちゃうんだな……。
「大丈夫だよ?」
「昨日泣いたでしょ?」
「え!?」
「目が腫れてる」
「あー……うん」
コンシーラーでうまく隠せたかなと思ったのに。
「天馬のこと?」
「んー……」
その時後ろから勢いよく腕を引っ張られた。
振り返ると天馬くんがすごい不機嫌そうに、眉間にしわを寄せている。
「ちょっとこいよ」
「なっ何!?嫌だ!」
「ふざけんな、電話もでねーし!」