天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「そんなことよりなんで電話でねーんだよ」
「メールしたよ?妹の体調が悪いから一緒に帰るって」
「それはわかってっけど。ずっと電話スルーじゃん」
だって天馬くんの声を聞いたら泣いてしまいそうだったから。
今でも顔を見たら気持ちが揺らぎそうでうまく見れない。
「おっさんになんか言われた?」
「……別になにも」
「あ?こっち見ろよ」
ぐいっと私の顎を掴んで上を向かせられる。
天馬くんと目が合ってしまった。
あー、この目好きだったな……まっすぐに私を見てくれる目。
「あのさ……やっぱりやめよう?」
「は?」
「私には政略結婚なんて無理。たった数年だとしてもその時間無駄にしたくないし」
「急に何言ってんの?」
みるみる険しくなる天馬くんの表情を見ていられなくて、また俯いた。