天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜


「そんなことよりなんで電話でねーんだよ」


「メールしたよ?妹の体調が悪いから一緒に帰るって」


「それはわかってっけど。ずっと電話スルーじゃん」


だって天馬くんの声を聞いたら泣いてしまいそうだったから。


今でも顔を見たら気持ちが揺らぎそうでうまく見れない。


「おっさんになんか言われた?」


「……別になにも」


「あ?こっち見ろよ」


ぐいっと私の顎を掴んで上を向かせられる。


天馬くんと目が合ってしまった。


あー、この目好きだったな……まっすぐに私を見てくれる目。


「あのさ……やっぱりやめよう?」


「は?」


「私には政略結婚なんて無理。たった数年だとしてもその時間無駄にしたくないし」


「急に何言ってんの?」


みるみる険しくなる天馬くんの表情を見ていられなくて、また俯いた。


< 140 / 250 >

この作品をシェア

pagetop