天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜

「親にも言っちゃったんだ。私じゃなくて咲の方がいいんじゃないかって」


天馬くんの反応を見たくない。

咲と婚約できるんだもん、喜んでるかな……。

ふたりのこと知ってるって、まだ私の口から言う勇気がない。

無言のままだからどんな顔をしているのか……。


「ごめんね勝手に。でも私もさ、自由に恋愛したいし!婚約してるとそういうのもできないから……」


すると再び顎を掴まれ上を向かせられた。


「こっち見て言えって言ってんだろ」


すぐ近くに天馬くんの顔があって思わず息を呑んだ。


すごい怒ってる。


でもただ怒ってるだけじゃなく、なんだかいつもと違う……。


「本気で言ってんの?」


「うん……」


「お前らしくねぇ。絶対本心じゃねーだろ」


なんで見透かしてくるの……!?

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