天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
天馬くんと目が合うことがなくなった。
これでよかったんだ。
下手に優しくされると辛いから……無視された方が楽。
「ちひろーお昼いこ?」
瑠実が財布を持って私の席に来た。
天馬くんとのことを話した時、優しく抱きしめてくれた瑠実。
何度も後悔しないかと聞かれたけど……。
咲のあんな姿を見るのも辛くて。
私が身を引けばすべてうまくいくんだ。
「今日ちひろも学食にするの?」
「ううん、食欲ないからこれだけ」
持ってきた栄養ドリンクを瑠実に見せた。
「え、ちょっとやめなよ!いくら栄養ドリンクって言っても腹の足しにならないじゃん!てかあの事があってからちひろすごい痩せたよ!?」
「えー嬉しい!太ってたしちょうどよかったよー」
「何バカな事言ってんの?そのうち倒れるからね!?」