天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜




天馬くんと目が合うことがなくなった。



これでよかったんだ。


下手に優しくされると辛いから……無視された方が楽。


「ちひろーお昼いこ?」


瑠実が財布を持って私の席に来た。


天馬くんとのことを話した時、優しく抱きしめてくれた瑠実。


何度も後悔しないかと聞かれたけど……。


咲のあんな姿を見るのも辛くて。


私が身を引けばすべてうまくいくんだ。


「今日ちひろも学食にするの?」


「ううん、食欲ないからこれだけ」


持ってきた栄養ドリンクを瑠実に見せた。


「え、ちょっとやめなよ!いくら栄養ドリンクって言っても腹の足しにならないじゃん!てかあの事があってからちひろすごい痩せたよ!?」


「えー嬉しい!太ってたしちょうどよかったよー」


「何バカな事言ってんの?そのうち倒れるからね!?」


< 145 / 250 >

この作品をシェア

pagetop