天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「送るから」
「えー!いいよ、高峯くん逆方向じゃん?」
「気にしないで、俺がそうしたいだけだから」
紳士だなぁ……。
私に興味を持ってくれてると思うとちょっと照れくさいというか。
「倉木さんさ、俺の事名前で呼んでよ」
「え?えーっと、光くん……?」
名前を呼んだだけなのに光くんは顔を緩ませてすごい嬉しそう。
「いいね!俺もちひろちゃんって呼んでいい?」
「うんいいよ、なんか照れるけど」
「これでもっと距離が近くなったね」
ふと横を見ると優しく笑う光くんがいて。
返答に悩むよー。
光くん、意外とグイグイくるなぁ。
私の家の近くまで来たころには結構暗くなっていて、星も見え始めていた。
「光くん、この辺でいいよ?家近いし」
「いや、せっかくだから家の前まで送らせてよ」
「でも……」
家族に見られたらちょっとな……。
でも咲にはいい口実かもしれない。