天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「おっさん、無理だわ」
ずっと黙って聞いていた天馬くんが口を開いた。
「そうだろう!?咲の方が良いに決まってるんだ」
無理って……。
そんなことわかってるよ。
やっぱり海の時に傷を見てそう思ってたんだ……。
喉の奥が痛くて。
なんでこんなに惨めな思いをしなきゃないんだろう。
唇をかみしめた瞬間、天馬くんが私の手をとった。
「……え?」
「いや、無理なのはおっさんのこと。俺の体の細胞全部がおっさんに対して拒否反応起こしてるんで」
「なっ……何を!わかってるのか!?この子は……」
「それ以上言ったら俺ここであんたに何するかわかんねーけど」
「っっ!」
天馬くんは本気だ、私まで怖くなってしまうほど鋭い目つきで義父を睨みつけていた。
あの義父も何も言えなくなってしまうくらい。