天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「じゃ、ちひろは俺が少し預かるのでご心配なく」
義父たちにそう言い、私のことを引っ張って歩き出す。
「え、ちょっと!咲っ……」
「お姉ちゃん、私の事は気にしないで!帰ってきたら話そう?」
咲は少し寂しそうな、でも納得したような表情だった。
どういうことなんだろう、天馬くんは何も言わないで歩き出すし。
婚約解消してから目もあまり合うことがなくなった天馬くんと、こんな風に肌に触れるのは久しぶりで緊張してしまう。
手汗がすごいよーーー。
どこに行くんだろう……もう薄暗くなってきてるのに。
再び駅の近くにたどり着いた。
「あの……天馬くん?どこへ……」
「俺んち」
「え?マンション!?」
「そ、ゆっくり話せるとこってそこしかないから」
「話って……」
「着いたら話すから」