天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
会話も少なく私たちは電車に乗り込んだ。
帰宅ラッシュとぶつかってしまい座るところがなく、私たちはドアの近くで立つことに。
ドアに寄りかかってる天馬くんは腕を組みながら窓の外を眺めている。
今日は無口だし、なんかアンニュイな雰囲気。
イケメンって得だよね、絵になるなー……。
なんて思ってたら目が合ってしまった。
ドキッとした次の瞬間、揺れが激しくなり隣のサラリーマンに倒れこんでしまった。
「す、すいません!」
サラリーマンの人は笑顔で「大丈夫ですか?」と体を押さえてくれた。
良い人でよかった……と思っていたら、天馬くんに突然体を引っ張られ、ドアの前に追いやられ。
壁ドンならぬ、ドアドン。
目の前には少し不機嫌そうな天馬くんが上から見下ろしている。
「俺をイライラさせる天才なの?」
「は!?なにが!?わざとじゃないしっ」