天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「あんなじじぃに触られてんなよ」
「ちょっと!聞こえるって!それに良い人だったのに!」
「んな一瞬で良い人かどうかなんてわかんねーだろ!?」
周りの人たちにチラチラ見られてしまい、私たちは話すのをやめた。
何を言い合いしちゃってんだろう……こんなの前と変わらない。
ガタガタと揺れる中私は目の前が天馬くんだと気まずいから、ドアの方を向いて立つことにした。
側にいるだけでドキドキしてしまう。
やっぱり光くんの時とは違う。
まだまだ忘れられてなかったんだなぁ……。
私がよろめかないようにと、後ろからドアに手をついて守ってくれているようだった。
その行為にまたドキドキしちゃって。
私は窓の外の夜景を眺めながら、違うことを考えようと必死だった。