天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「は?今なんつった?」
俺の事はなんて言われようがかまわねーけど、ちひろのことは文句言わせねぇ。
睨むと、ふたりは慌てて
「ご、ごめん!またねぇ!」
と小走りで離れて行った。
はぁ。どいつもこいつもうるせーな。
お前らより断然かわいいし。
てか……お前らにちひろの良さなんてわかんねーよ。
相手のことばっか考えて、自分のことなんて二の次で。
もっとあいつは幸せになっていいはずなのに。
こっからは俺が幸せにしてやるけど。
教室に入ると入口で光がにやついていた。
「光、さっきのこと教えろよ」
「うーん、やっぱりさぁ……本人に聞いた方がいいと思うよ?」
「は?」
「うん、俺から言ったらまた誤解が生まれるかもしれないでしょ?」