天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
『天馬!?今どこ!?』
少し震えながら叫ぶ咲の声が電話越しに聞こえて、ただごとじゃないと感じた。
「学校の帰りだけど……どした?」
『お姉ちゃんが……』
俺の心臓が大きく揺れる。
咲の声がどんどん遠くなっていく気がした。
『天馬!?聞いてる!?』
「ん、聞いてる」
『でね、警察には連絡したんだけどっ……』
「わかった。思い当るとこあるから行ってみるわ」
『うん!お願いね!?』
「あとお前のマネージャーに伝えて」
『なんて?』
「帰ってきたら半殺しにするって」
『えっ天馬!?』
咲を守らなきゃねーのはわかる。
でもあいつを……
ちひろを置いてくるとか。
絶対ありえねーから。
電話を切ると、近くを通っていたタクシーを止めて乗り込んだ。