天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
ちひろを連れ去ったのはあいつらに決まってる。
ああ。あいつらの存在をすっかり忘れてた俺にも腹が立ってる。
何もしないでいる奴らじゃないっていうのは最初からわかっていたことなのに。
中学の頃、一時期学校に行かなかった時期があって。
行かなくてもどうせ親の力でなんとかなると思っていたし。
そん時につるんでいたのが奴らだった。
当時は一人でいるより楽しくて毎日一緒にいた。
喧嘩も日常茶飯事で、人に言えねー色んな事やってきた。
でもある時ふとつまんねーって思うようになって。
こんなの一生やっててもちひろに会うことはないって気付いた。
そん時、光が必死に俺を学校に来させようとしてて。
あいつのおかげで今の自分がいるって言っても過言じゃない。
じゃなきゃ俺は今もあの世界に……。
「わっ、なんだあの子たち!」
タクシーの運転手が慌てふためいている。