天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
前を見ると単車から無理やり引きづり降ろされているちひろがいた。
やっぱりここだった!
着いた場所はリーダーと呼ばれていた笹島という男のアパートだった。
「すいません!ここでいいです、釣りはいらねーから!」
「あっお客さん一万も!?」
乱暴に金を置くと急いで外へ出た。
「おい!」
俺の声に一斉にこっちを見る奴らと、髪の毛が乱れているちひろ。
「て……天馬くんっ」
震えた声で今にも泣き出しそうだ。
ぐっと喉が熱くなって頭に血が上る。
ちひろの腕や体を乱暴に掴んでいるあいつらがゆるせねえ。
今すぐにでも焼き殺してやりてえ。
ごめんちひろ。
これは俺がやらかしてきた今までの罰だ。
それなのにお前を巻き込んでしまった。
いくつになっても俺は
ちひろに辛い思いをさせてしまうんだな。
ごめんな……。