天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「こんのくっそっ……」
私のそばにいた男が天馬くんに迫り寄ろうとした瞬間。
「やめろ」
と誰かが言った。
声がした方を見ると、アパートの方から威圧感たっぷりの金髪の男が歩いてきた。
この人ってもしかしてリーダーって言われてた人なんじゃ……。
「笹島さん、久しぶりですね」
押さえつけられながらも、天馬くんは余裕そうな表情を見せている。
「久しぶりだなぁ、天馬。おいお前ら何やってんだ、離してやれ」
「えっ、でも……」と、私を掴んでいた男が動揺している。
「聞こえねーのか!?」
「はいっ」
慌てて私の腕を離し、天馬くんも解放された。
この人すごい……一声で男たちを黙らせるなんて。
「悪いな、手荒な真似して」
「いえ……でもちひろには謝ってほしいです」
えっ
天馬くんなんて!?
こんなすごそうな人が謝るわけ……